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「経済人の終わり」―全体主義はなぜ生まれたか
1939年 |
第一次大戦後、民主主義が根づいていなかった国では、ブルジョア資本主義とマルクス社会主義に失望した大衆がファシズム全体主義にはしった。経済のために生き、経済のために死ぬという経済至上主義からの脱却を説く本書は、60年を経た今日、われわれの問題意識と同じといってよい。時のイギリスの首相ウィンストン・チャーチルの激賞をえた。ドラッカー29歳の時の処女作であって、ナチズムの日常を描いて息をつかせない。ドラッカー思想の原点でもある。 |
新訳 |
産業人の未来―改革の原理としての保守主義
1942年 |
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社会が機能するためには、一人ひとりの人間に「位置」と「役割」があって、かつ、そこに存在する権力に「正当性」がなければならない。しかも、よりよい社会への改革の道は現実に立脚した正統保守主義の原理によるべきである。ソクラテスからフランス啓蒙思想、ルソー、ロベスピエール、社会主義、マルクス、ヒトラーとつづく進歩主義の系譜の破綻を明らかにするとともに、イギリスやアメリカの保守主義の実績を対比させている。社会にかかわる一般理論を確立し、その産業社会への適用を特殊理論として展開した。ドラッカー社会学の原点である。 |
新訳 |
現代の経営 1954年 |
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企業の機能はマーケティングとイノベーションである。経営の本質を明示することによって世界中の企業と経済に直接の影響を与えた。『産業人の未来』の上梓後、当時のナンバーワン企業GMを研究したドラッカーは、その成果を『企業のコンセプト』として発表した。その後彼は、産業社会の主たる機関としての企業とそのマネジメントの成否が社会の行方を左右するとの認識を深め、経営学を深化集大成して本書を発表し、やがて経営学の祖と仰がれるようになった。ドラッカー経営学の原点である。 |
新訳 |
創造する経営者 1964年 |
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マネジメントの師たちの師と呼ばれるようになったドラッカーは、世界中の企業、NPO、政府機関の相談相手となった。その豊富な経験をもとに、事業とは何かを明らかにした世界最初の、かつ最高の経営戦略書である。事業とは顧客の創造であると断じている。 |
新訳 |
経営者の条件 1967年 |
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成果をあげることは学ぶことができる。かつて社会のパワーセンターは、国王をはじめとする少数支配者だった。今日では組織とともに働く一人ひとりの人間である。全員が社長のように働かなければ企業の成功、社会の繁栄はない。プラトンからマキアベリにいたる賢人たちが、ときの支配者に教えたように、ドラッカーは現代社会の担い手たる普通の人たちに教える。現代の帝王学として広く読まれている。 |
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断絶の時代―いま起こりつつあることの本質
1969年 |
地震の群発のように社会を激動が襲いはじめた。その原因は地殻変動としての断絶にある。この断絶の時代を企業家の時代、グローバル化の時代、多元化の時代、知識の時代ととらえた本書は、世界中で読まれ、今日なお進行中の、社会そのものの変容である。イギリスの元首相マーガレット・サッチャーがドラッカーによるものとして推進し、やがて世界中に広がった政府現業部門民営化の構想は本書で発表された。現代社会の哲人としての名声を不動のものとした名著である。 |
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マネジメント―課題、責任、実践
1974年 |
われわれの社会は組織の社会として極度に多元化した社会となった。経済的な財やサービスの提供、医療、福祉、教育、知識の探求から環境の保護まで、主な社会的課題は、すべてそれぞれの専門の社会的機関にゆだねられている。それらの課題をいかに果たすかがマネジメントの課題である。原著800頁、日本語訳1300頁を超える本書は、今日も大学、ビジネススクールの教科書として使われている。「マネジメントを発明した男」(ジョン・タラント)としてのマネジメントの集大成である。 |
新訳 |
見えざる革命―年金が経済を支配する 1976年 |
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ドラッカーは予測はしない。すでに起こったことの帰結を予告するだけである。50歳人口は20年後には70歳人口となる。高齢者の健康や住居しか論じられていなかった頃、まさに突然、ほかならぬドラッカーが人口構造の激変とその様相について論じはじめた。高齢化社会にかかわる古典として必読の書となっている。社会の高齢化にともなう、経済、社会、政治の変化について本書の右にでるものはまだない。 |
新訳 |
乱気流時代の経営 1980年 |
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「乱気流の時代にあっては、経営管理者にとって最大の責任は、自らの組織の生存を確実にすることである。組織の構造を健全かつ堅固にし、打撃に耐えられるようにすることである。そして急激な変化に適応し、機会を与えることである。」の一文から始まる本書は、20年前の初版刊行時にもう少し丁寧に読んで実行していれば、バブルに踊りその後遺症に悩むこともなかったであろうと思わせるものである。今日はやりのキャッシュフロー経営も、すでに本書が説いている。 |
新訳 |
イノベーションと企業家精神
―その原理と方法 1985年 |
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イノベーションと企業家精神が天才のひらめきや天賦の才能ではなく、誰でも学び実行することのできるものであることを明らかにした境最初の方法論である。日本でも根強い人気のある名著。 |
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新しい現実―政府と政治、経済とビジネス、社会および世界観にいま何がおこっているか 1989年 |
歴史にはひとたび超えてしまえば、経済的、社会的、政治的な景色が変わり,言葉も変わるという境界がある。1965年から73年の間のどこかで世界がそのような境界を越え、新しい次の世紀に入ったことを宣言した名著である。ソ連邦の崩壊を予告したことでも有名。 |
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非営利組織の経営―原理と実践 1991年 |
NPOの役割の増大を予告し、そのマネジメントのあり方を明らかにした本書は、NPOの関係者のバイブル、座右の書となっている。NPOの発展の鍵を、「ここでは自分が何をしているかがわかる。ここでは私は貢献している。ここでは私はコミュニティの一員である」とボランティアの声にみている。 |
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すでに起こった未来―変化を読む眼 1993年 |
「利益の幻想」「シュンペーターとケインズ」「企業倫理とはなにか」「日本画に見る日本」「もう一人のキルケゴール」など40年を越える執筆活動から筆者自身が選んだ珠玉の論文集。本書においてドラッカーはゲーテの『ファウスト』を引用して、自らを社会生態学者、「見るために生まれ、物見の役を仰せつけられ」(高橋義孝役)た望楼守と規定した。 |
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ポスト資本主義社会
―21世紀の組織と人間はどう変わるか 1993年 |
歴史は数百年に一度、際立った転換をする。境界を越える。そのとき社会は数十年をかけて、次の新しい時代のために身繕いする。世界観を変え、価値観を変える。社会構造、政治構造、技術、芸術、機関を変える。やがて50年後には、まったく新しい世界が生まれる。おそらくは2020年までは続くであろう今回の転換期の様相を活写した必読の書である。 |
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P.F.ドラッカー経営論集
―すでに始まった21世紀 1998年 |
世界の経営の最先端をいくマネジメント専門誌『ハーバード・ビジネス・レビュー』所蔵のドラッカー論文13本を厳選。いずれも世界のビッグビジネス、ベンチャー企業の経営戦略に影響を与えた。 |
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明日を支配するもの―21世紀のマネジメント革命
1999年 |
世界17ヶ国で発行され直ちにベストセラーとなった、いま話題の書。ビジネスの前提が変わり、現実が変わったことを知らせる。最終章では、いかに生きるべきか、いかに第二の人生を用意すべきかを語っている。 |
<以上、すべてダイヤモンド社より刊行>
ドラッカー著作一覧はダイヤモンド社ホームページにありますのでご覧下さい
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