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ドラッカー名言録

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   ●ドラッカー名言録

 ドラッカー名言録18

知識労働者自身に上下はない」

 

 かねてから知識労働者(ノウレッジ・ワーカー)の台頭を重視してきたドラッカーは、その本質やあり方について、しばしば随所で言及しているが、この言もその典型的なものの一つである。

 この言葉に続いてドラッカーは、高級な知識、低級な知識というものはないからだと、この発言の理由を説明している。知識の評価については与えられた仕事に関して適切か適切でないかがあるだけだと喝破し、しかも課題解決自体によって必要とされる経験や予算によって、その従事者の組織内のランクは決まるといっている。

 よく様々の事柄を医者にたとえるのが好きなドラッカーは、さらに、眼病には眼科医が適切であり、胆嚢の切除にあたるのは腹部専門の外科医だとも述べている。したがってドラッカーは、知識労働を中心とした組織は、権威や権力志向の組織ではなくて、課題解決や目的によって規定されるべき業績試行組織を必要とすると結論づけている。

 さて、ドラッカーは知識労働者について、もう一つ大事なことを説いている。それは、優れた仕事をするためには、常に努力をしなければならないという点についてである。

 「ようやくできた」とか「辛うじて成し遂げた」などという言い方は、知識労働では物の役に立たないと厳しく突き放す。いつも腕の冴えを示せることが、卓越した知識労働者のあり方だとする。そして、仕事への貢献度の向上を絶えず意識の最先端へおいて、腕を磨くことを片時も忘れないでいるべきだとする。

 したがって知識労働者の動機づけは、その効果性に―――つまり、どれだけ効果性をあげることができるかということに依存するところが大きいとする。だからもし、その仕事が十分効果的でない場合には、知識労働者の働く意欲も、組織目的に貢献する意欲も、組織目的に貢献する意欲もやがて枯渇し、午前九時から午後五時まで、期待された動作をただ単に繰り返すご都合主義者に堕してしまうと訴えている。

 ということは、マネジメントする立場からいえば、その努力と成果に対して、厳しい要求をすべきことを意味するが、他方、知識労働者のほうも自らの職務上の充足感と刺激の有無に対して高い要求をすべきであるとドラッカーは述べている。

 しかも知識労働者自身に当を得た意思決定をさせるには、課題での成果と、どういうやり方でその達成をすべきかをよく知らせておかねばならない。自分の知識と技能と作業が、いかに企業全体に寄与するのかがわからなければ、自分自身をマネジしたりモーティベートし得ないとしている。

 したがって、知識労働者が非常に立派な業績をあげている組織では、どこでもトップが一定の規則的なスケジュールに従って、特に時間をさいて知識労働者たちとテーブルを囲んで座り、寛いで話し合うことをしていると指摘している。

 これを欠くような場合は、知識労働者は働く意欲を失って、上述したような単に時間に縛られて働く人間になり下がるか、その精力と関心をごく狭い専門分野にのみ向けてしまって、組織自体の持つ機会や要求するところからは、ますます離れていってしまうかのどちらかになってしまう。

  

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