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ドラッカー名言録

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   ●ドラッカー名言録

ドラッカー名言録36 

 「もし私が会社の社長だったら、一番恐れることは、大会社とその経営者が自分では露ほども不法なことをしていると考えず、道徳観念がルーズで無神経に行動することである」

  いま、エンロン事件に端を発し、タイコ、ワールドコム、ゼロックス、メルク……と文字通りアメリカの企業に軒並みその不祥事が明るみに出て指弾されているが、このドラッカーの言葉は最近のものではない。実は、約四〇年前の一九六四年にドラッカーとしては、しゃれた話題のエッセイである「もし私が会社の社長だったら……」の一部から引いたものである。
    「自分の会社に納品している企業の株を買う経営者、あるいは自分の会社から安く金を借りる経営者(実はいま、アメリカ議会が追及しはじめているのはブッシュ大統領のこの問題である)は、法律を犯していないかもしれない。しかし、彼らは自分に寄せられた信頼を裏切っている(チェイニー副大統領も、この点、同じ穴にはまっている)」実は、これは法律を破ることよりも悪質だ。専門職業上の地位を持つ人間に第一に要求されること、それは、自分に寄せられている信頼を常に自己の利益に先んずるものとして、それを優先させることである……とドラッカーは断じている。
    さらにドラッカーは、「私がもし会社の社長なら、新聞のトップを飾るビジネス界のスキャンダルなどは気にしない。腹黒い人間なんてどこにもいる。われわれがこういう連中に対してできることは、連中を捕らえて刑務所に送り込むことだけである」とも言い捨てている。
さらに企業には、会計操作、財務操作、支出操作など数多くの"操作"があるが、根本的な操作はただ一つ、どの人間を雇い、どの人間を昇進させ、どの人間を手放すかという操作である。従業員の誰を昇進させ、誰を現職にとどめておくかにより、その企業の抱く理想や主義、またその企業の特質が再確認されたり、汚されたりするのだと鋭く衝く。
    そして、ドラッカーは言葉を続けて、「私がもし社長だったら、アメリカの企業やビジネスマンが、果たして世間から要求され、認められ、尊敬されているかどうかなどは気にしない。本当に気にするのは、われわれ企業に携わるものとして、人間の心が求める冒険、人間の勇気、人間の仕事、つまり"企業(エンタプライズ)"と呼ばれるこの人間としての偉業を達成するために、われわれは何をすべきかであろうかに絶えず心を砕きたいのである」と説いているのである。 

   

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