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   ●ドラッカー名言録

ドラッカー名言録54

「リーダーは尊敬されるが、必ずしも好かれるとは限らない」

ドラッカーはかねてから、「リーダーに人気投票は必要ない」という趣旨のことをよく口にしていたが、その発言と共通するところにあるのが、今回の上記の言葉である。
この言葉を耳にしたのは、ドイツやイギリスで働いていた若い頃、3人程のすぐれた上司(メンター)に恵まれたことをドラッカーが語ってくれた時である。それら3人の上司は、ドラッカーを何かにつけて厳しく導いてはくれたが、友人とか、親愛の情を寄せてくれることはなかった、と彼は述懐していた。
ドラッカーの当時のリーダーは、編集長や投資銀行のシニア・パートナーなどであったが、各人の仕事を懸命にこなし、成果を出すことにのみ専念していた。彼がこれらの人々を尊敬したのは、各3人とも、流儀は異なるが、部下の人間としての力と、「強みを十分に仕事に活かさせ、弱みを介入させない」ことを本能的に悟っていたからだと述べる。
従って、ドラッカーのリーダーシップ論は、ある意味で極めてドライなもので、リーダーとは、単に何らかのフォロワー(部下)のいる人のことであり、そこでは仕事中心の関係に焦点を絞った発言のみをする。
特に、フォロワーに対して、明日に向かって正しいことをさせる人であるのだから、人気取りなどはリーダーシップからは程遠いものであり、成果を生むことこそ、その要請であると断言してはばからない。
だからこそ、有能なリーダーは、「自分は何をしたい」との問いから物事を始めてはならないと戒める。そうではなく、「この場でいかなるニ−ズを満たすべきか」「何に対して貢献することが要求されているのか」「どこへ、どういう形で寄与したらよいのか」という問いからスタートせよと、ドラッカーは言う。
さらに、それに続いて、これまでとの違いを生み出すには、「自分(部下)には何ができ、何ができないか」から考えることによって効果性を最大限発揮できるともする。
冒頭の発言に関して、もうひとつ指摘できるのは、ドラッカーは「リーダー的性格」とか「リーダーシップ・スタイル」などは存在しないと言い切り、リーダーのスタイルやプロフィールは千差万別なのだから、ましてや、カリスマ性とか好ましい性格などを中心に人気投票するなどは、全くのナンセンスだと考える。
しかし、大事なことは、リーダーという存在は、どうしても目立つビジュアルな存在なので、自らが役割モデルとなって模範例を示すことが大事であると言っている点である。
そして、毎朝、「鏡」の前に立って自らをさらし、今日の自分は自分がなりたい人間かどうか、正しいことよりも人気取りを目指してはいないかと、自ら戒めることも忘れるな、と直言している点にも注目する必要がある。

 

   

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