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ドラッカー名言録

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   ●ドラッカー名言録

ドラッカー名言録29  

これからの乱世で組織が生き残って成功するには、自らを変革の促進者(エージェント)に変えていかねばならない

 

  この一文は、ドラッカーが、明年刊行予定の久々の大著『次の社会(ザ・ネクスト・ソサイエティ)』から引いたものである。
  次の社会に対処するには、いまから準備せよ、と説く中の一説からのものである。営利企業でもNPOでも、組織としてサーバイブし、成功するには、自らを変化に対応し、変革を遂げていく触媒、促進体として変容しなければならないということである。そして、変化を成功裏に遂行するにあたっての最も効果的な方法は、新しい組織を創り出すことだとドラッカーはいう。これまでの経験からして、伝統的な古い企業に新しい革新を接ぎ木しようとしてもうまくはいかない。というのは、企業そのものが変革推進母体にならなければいけないからである。そのためには、うまくいかなかったこと、いかないことは系統的に組織全体として放棄し、廃棄していかなければならないとする。
  企業内のすべての製品、サービス、プロセスを絶えず継続的・組織的に、日本でいうカイゼンのようにすることがまず大切である。しかし、それだけでは不十分である。
 予期もしなかったり、また計画もしていなかった新しい成功の可能性を掘り下げ、試みることが不可欠だが、それには、システマティックなイノベイションがその前提としてどうしても必要になってくると、ドラッカーはこの新大著で力説する。
  チェンジ・エージェントになるために肝心なポイントは、全組織の心的態度(マインドセット)を変えることである。変化や変革を脅威としてみなすのではなくて、新しいチャンス、機会としてみるように精神構造を変えなければならないのだから、そう一筋縄ではいかない大事業だとドラッカーは主張する。
  そして、たとえ、このように心の準備ができていても、未来のトレンドやイベントをいったいどれだけ、われわれがあらかじめ読み切れるか。たった一つだけ確信を持つ予測可能だといえるものがあるとすれば、それは「全く思いもかけない方法でやってくる」ということである……というドラッカーのやや逆説的な口調が続いて出てくる。
  いま騒がれているIT革命にしても、そのスピードや影響力は、過去二〇〇年の第一次、第二次の二つの産業革命の場合と同じく、主たるインパクトが現出するのはまだまだこれからであるとドラッカーは断言する。
「ダイナミックな不均衡」や「創造的破壊」こそ常態だというJ・シュンペーターの考えをよく味わって己のものとし、二〇三〇年にはITテクノロジーなどではないものによって支配される、いまとは全く異なった社会が出現することに思いをいたすために、絶えず大局観を持って考えていこうとドラッカーは結んでいる。

   

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