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   ●ドラッカー名言録

ドラッカー名言録31  

 「伝統的な労働力体制の下にあっては、働く人々がシステムに仕えたが、知識労働力体制の下では、システムこそが働く人々に仕えなければならない」

 この言葉は、今年の『ハーバード・ビジネス・レビュウ』の2月号に特別寄稿した「組織で働く人々は雇われた従業員ではない。生身の人間そのものだ!」(これ自身が1つの名言とすらいえるが)という論文の中の結びの一節である。
 急速に万事を変えつつある最近の諸々のトレンドは、当然、企業が人間の能力をマネージするやり方を変えつつある。この点に注意して、深く思いを致さない限り、自社の競争力は自らがそれを覚る前に、すでに失われてしまっている、とドラッカーは冒頭のところで語る。
 そして、社員をドサッと投げ捨て、社員との関係を安易に断ち切ることによって、組織は人間の能力を伸ばすことを放棄するという、いわば悪魔との取引を行なってしまうことになるのだ…という厳しい指摘が続く。
 いまや、世界中で毎日、なんと、1000万人とは言わぬまでも800万人の派遣社員(テンプ)が派遣されている。しかも受付係だけではない。今日のテンプは治療の専門家であり、看護士であり、麻酔の専門家であり、時にはCEOですらあると分析する。
 そのために、経営者は、これまでのような「人こそわが社の最大の資産」という呪文を唱えることはやめ、「人が最大の負債であり重荷である」となど言い始めていることを衝く。
 知識経済は内部分裂をはらんでいる組織を生み出した。すなわち、放っておいてはベクトルが合わず各人勝手な方向に行ってしまう専門家集団を会社の中に抱えるので、リーダーはなんとかこれをマネージしようと苦心せざるを得なくなってきている。
 そして、たいていの場合、プロフェッショナルを雇い入れた、プロフェッショナルからなる組織のほうが、こうした知識スペシャリストやエクスパート集団をより上手に取り扱うことができるとする。
しかし、社員が従来のような社員であれ、派遣社員であれ、契約社員であれ、今日の知識労働者は単なる労働力ではなくて資本なのである。したがって優秀な会社とそうでない会社を区別するものは、こうした知識資本の生産性なのであるとドラッカーは指摘する。
 そして、その後、今回の名言である「伝統的な労働力体制の下にあっては、働く人々がシステムに仕えたが、知識労働力体制の下では、システムこそが働く人々に仕えなければならない」という最後の章節が導き出されてくるのである。
 そしてドラッカーは、こうした大変革の時にあっては、若干のプログラムや制度や慣行の手直しをする程度で乗り切れるものではないとする。
 新しい測定方法、新しい価値観、新しいゴール、新しい方針を必要とするが、それには、これからかなりの時間を費やして努力しなければならないとしている。

   

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