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ドラッカー名言録

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   ●ドラッカー名言録

ドラッカー名言録39 

 「最も重要なのは、タスクに目を配ることであって、自分自身についてではない」


 ドラッカーは、リーダーシップについてタスク(なすべき手もとの仕事)こそ重要なのであり、自分自身はそのために奉仕する一人のサーバントにしかすぎないと述べている。そして、リーダーとしての責任は、その部下に対してであり、同僚などではないとも述べている。
 これらの言は、ドラッカーがリーダー、特にNPO(非営利法人)の指導者としての「べし・べからず集」について発言したときの一節である。
 そこで、ドラッカーがまず警告した第一のポイントは、発表さえすれば、皆がちゃんと了解してくれるなどと甘く思い込むことは禁物だということである。誰も一回や二回のアナウンスメントでは理解なんかしやしない。そうかといって一定の意思決定をする前に部下を集めて討議させたり、参加させたりする暇も現実にはないことが多い。
 だから、有能で効果性の高いリーダーは、自分のことをわかってもらうために、少なくとも一定の時間を費やさねばならない。膝突き合わせて、こういう。「今、われわれが直面しているのは、こういうことだ。打てる手としてはこういう選択肢が考えられる」と。
 そういえば、部下は「リーダーのご意見は」と尋ねてきて話は進む。
 しかし、それをしないと、「トップのやつは何も知っちゃいない」「いったい何がどうなっているのか、皆目、見当がつきやしない」となる。また「これこれのことは考えに入れたんですか」となる。しかし、話し合う過程で、「うん、その点は考慮した」「そのうえで結論に達した」……というやりとりがあれば、納得してくれて、ついてきてはくれる。
 自分たちならそうは決めなかっただろうが、少なくとも上のほうで単なる思いつきで決めたのではないということはわかってくれる。
 第二にやってはいけないこととして、自分の組織の持つ潜在力を過小評価してはいけないという点である。組織人としての最大の罪は、自分が率いる組織の潜在力を見くびることであると、ドラッカーは断言してはばからない。
 組織の中には非凡な人も凡庸な人もいる。野心のある者も、そうでない者もいる。しかし少なくとも優れた人々を周囲に何人か配することによって、ボンクラだけで動かされることに起因するリスクから免れることはできる。
 そして最後に、後継者の候補選びにあたっては、独りでやらぬことをすすめる。特に二〇年前の自分のような人物を選別しやすいがこれはとんでもない間違いである。
 これはいわば、自分のカーボン・コピー人間を求めるに等しいが、「カーボン・コピーは弱い」とドラッカーは言う。カトリック組織も軍隊も必ずしかるべき人々と相談してから後釜を決める。ただし、それはあくまでも相談だけであって、最終決定はむろんリーダー自身がなすべきであることは当然だとドラッカーは述べている。 

   

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