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ドラッカー名言録

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   ●ドラッカー名言録

ドラッカー名言録65

「軍隊の指揮者は、現場からのリポートに依存することなく、自分で現場へ出かけて行き、自分の目でみる」

 このドラッカーの発言は、1967年1-2月号の、『ハーバード・ビジネス・レビュー』誌に掲載された彼の記事の一部で、現実を重視する軍のトップを高く評価したものである。その記事でドラッカーは、エグゼクティブも同じように、自分の足で出かけて行き、自分の眼でしっかりと見つめること。それはマーケット然り、顧客然り、競争相手然り、そして製品についても、そうした態度をとることが肝要であることを力説していた。
 しかも、それが自らの意思決定に対して、最も適切で正確なフィードバックを得る、またそのような意思決定の下に横たわる、様々な仮定を検証する、さらにこうした意思決定が、壁に映った影≠フように、実のところ信頼のおけないものでないことを確かめる、最善の方法だからである。
 これを、ごく最近の『ハーバード・ビジネス・レビュー』誌の記事の中で、経営学者のタン・メイヤーも提起している。
 すなわちメイヤーに言わせると、経営者のオフィスは、ちょうど古代ギリシャのプラトンが言った「洞穴」とよく似ており、一つひとつの部屋は大きく、しかもそれぞれがバラバラに切り離されており、実社会の諸々の妨げから隔離されている。これは一見、素晴らしいように思える。というのは、現実の社会は異常にうるさく、また混乱を起こしやすい場所だからである。
 したがって経営者は、そのような中から生まれる小さな事柄にこだわらず、より大きく戦略的な思考をしなければならないというのも、一見すると、もっともな主張である。
 そのため、できあがってくる報告が、経営者用にスムーズで流線化され、大事なフィードバックを、忙しい「ボス」のために消化しやすいようにしつらえてあることは、パッと見れば非常に結構なことのように思える。
 しかし、結論から言えば、それらはフィルターをかけ、勝手な解釈をし、また時として、過度に単純化させた見方をさせる。換言すれば、現実とは異なった「歪んだ像」が、経営者に提示されるということである。
 したがってドラッカーは、そういうことよりもベターなアイデアとして、冒頭に述べた軍隊型の鈍重なまでの「現実主義」をとり、あくまでも信頼のおけない壁に映った影≠ノ左右されてはならないと説くのである。

 

 

 

   

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