imeege.jpg (27604 バイト)
Home
経営セミナー
マネジメントスクール
経営コンサルティング
P.F.ドラッカー
ドラッカー名言録

e-Learning

講師プロフィール
国永秀男の経営コラム
会社概要

お問い合わせ mail

link

ドラッカー塾開催中
ダイヤモンド社主催

 


   ●ドラッカー名言録

ドラッカー名言録66

「日本人の強みは、組織の構成員として、一種の「家族意識」を有することにある」

 2月の1カ月間、ドラッカーが、日本経済新聞朝刊「私の履歴書」に毎日書き続けて話題になった。ドラッカーの90有余年の変化に富んだ個人史を相当コンパクトにまとめてあり、現在のドラッカーが、気持ちの上で重点を置きたいところがよく描かれているシリーズであった。
 「分権化」、「目標管理」、「知識労働者」、「民営化」など、今日活発に使われているマネジメント上のキーワードは、すべてドラッカーの造語である。最終回の冒頭で彼は「しかし、有名になるだけが人生を測る物差しではない」と語り、これからもこのことをぜひ忘れないで欲しいと力説した。そして、自分には「引退」という言葉がないことを再強調したのが、「私の履歴書」でのメッセージである。
 単なる経営学者でもなく、さりとて経営コンサルタントだけとも言えない。また経営の専門家とされてはいるが、産業、経済、技術、社会、その他非常に広い角度で物事を見ると同時に説いているドラッカーを、狭い枠組みにはめこむには、土台無理がある。かつてドラッカーは、強いて自分が何者かというと、「物見をする人」、あるいは「経営生態学者」と言うこともできようが、どうもそれらの言葉もぴったりこないと語ってくれたことがある。
 今回のシリーズでもクリアになったように、ここ70年間ヨーロッパやアメリカで、また世界各地でさまざまな角度から、経済と社会における企業とその経営の衝に当たる人々を主たる対象として描き出したドラッカーは、その考え方のエッセンスである「強みの上にすべてを築け」を、いつも中核となるガイドラインとしてきた。この言葉は「己の強みの上に構築せよ」とか「得手、得意を十分活かす形で自分を伸ばせ」などさまざまな言われ方をするが、皆、同じ狙いの言葉である。
 そのドラッカーが今回、日本人の強みに関して指摘した点がある。あなたは何をしているかと聞かれると、欧米人は「会計士」などと言うが、日本人は「トヨタ自動車に勤めている」などと答えるのが、常であることだ。狭い意味での自分の職業などに自己を限定せずに、自らの所属する組織を語るということは、組織の構成員として一種の「家族意識」を有していることの証拠である。そうドラッカーは指摘している。
 今回の「私の履歴書」でも、ここにこそ日本最大の強みがあることを特筆している点が、注目される。

 

 

 

   

←TOP